フッ素は、お子さんから大人の方まで幅広く受けられる予防処置です。
フッ素にもいくつか種類があり、「歯科医院で塗布するフッ素」と「自宅で塗布するフッ素ジェル」「フッ素洗口法」「フッ素入り歯磨き粉」などがあります。
これらのフッ素には、3つの効果が期待することができ、むし歯予防のために手軽に取り入れられます。
そこで今回は、むし歯予防に効果的なフッ素について詳しくお話させていただきます。
フッ素って何?
フッ素は、お茶や清涼飲料水にも含まれており、水にも含まれている身近な物質です。
フッ素の安全性について気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、大量に摂取することで中毒症状が現れる場合がありますが、歯科医院で塗布する程度のフッ素では中毒症状が現れることは考えにくいです。
フッ素の3つの効果
- 再石灰化を促進する
飲食をして、お口の中に汚れが残ったままになると、糖分をエサにむし歯菌が酸を出します。そうすると、歯の表面から「カルシウム」と「リン」が溶け出して、脱灰をいう状態になります。
ただし、唾液の働きでカルシウムとリンを取り込み、脱灰しても修復する「再石灰化」の働きがあります。
フッ素には、再石灰化を促進する働きがありますので、修復力が高まります。
- 歯質を強化する
私たちの歯は、「ハイドロキシアパタイト」という物質で構成されており、とても硬い物質なのですが、酸に弱い性質も合わせ持っています。
フッ素塗布をして、再石灰化が促進されると、「フルオロアパタイト」と呼ばれる物質に変わり、歯質が強化されます。
- むし歯菌の活動を抑制する
むし歯の原因菌は、糖分をエサに酸を作りだします。
フッ素には、このむし歯の原因菌の活動を抑制する働きがあるため、酸が発生しにくくなる効果が期待できます。
フッ素の種類
歯科医院のフッ素塗布
歯科医院で塗布するフッ素は、歯科医師や歯科衛生士が高濃度のフッ素を塗布します。
そのため、高い効果が期待でき、3ヶ月に1度程度の頻度でフッ素塗布を継続すると、効果が持続します。
フッ素を塗布した後は30分程度飲食を避けましょう。
30分程度うがいはできませんが、お口の中が気になる場合には、唾液を出していただくことをおすすめします。
・自宅で行うフッ素塗布
フッ素ジェル
フッ素ジェルは、お口にとどまりやすいジェル状のフッ素です。
フッ素入りの歯磨き粉の後に使用することもできますし、フッ素ジェルだけで使用することもできます。
就寝中は、唾液が減少してお口の中の細菌が増殖しやすくなります。
そのため、就寝前のジェルを塗布すると、細菌の働きを弱めることができるため、お口を整える効果が期待できます。
フッ素入り歯磨き粉
歯磨き粉にフッ素が配合されている物を使用してフッ素をお口の中に取り込みます。
今使っている歯磨き粉をフッ素入りの物にするだけで手軽に取り入れることができます。
ドラッグストアなどでも販売をしていますが、選ぶ時はフッ素濃度を確認していただくことをおすすめします。
フッ素の濃度が高い方が、効果的にフッ素を取り入れやすいため、濃度が高いものを選びましょう。
歯磨き粉で高いフッ素濃度は1500ppmの物があります。
歯科医院で販売している物は、高い濃度の物が多いため、高いフッ素濃度の歯磨き粉をお求めの場合には、歯科医院に相談してみましょう。
フッ化物洗口法
歯磨きの後などにぶくぶくうがいをして使用する方法です。
小さなお子様の場合には、うがいができるようになってから使用しましょう。
まだうがいができないお子さまは、フッ素ジェルの方が使用しやすいので、おすすめです。
フッ素のタイミング
乳歯や永久歯が生え変わったタイミングは、まだ歯が完全に出来上がっておらずフッ素を取り込みやすいので、フッ素塗布をおすすめする時期です。
この時期は、エナメル質が未成熟なので、むし歯菌に対する抵抗性も弱い時期です。
フッ素塗布をして歯を強化してむし歯から大切な歯を守りましょう。
大人の方は、定期検診ごとにフッ素塗布をすることをおすすめしています。
定期検診は患者さまのお口の状況によって3~6ヶ月程度での検診の頻度をご案内しています。
定期検診では、むし歯や歯周病の有無を確認して、お口に残っている汚れをきちんと除去してお口の環境を整えます。
そうすると、むし歯や歯周病になる前に予防ができ、健康なお口を維持しやすくなります。
お口の健康維持のためのフッ素塗布はおのうち歯科・矯正歯科・こども歯科へ
当院では、痛くなってから通うのではなく、お口の健康を維持するための「予防」に力を入れています。
予防歯科専用フロアを完備して、いつまでもご自分の歯を健康な状態で保てるようにサポートいたします。
クリーニングやフッ素塗布などの予防を取り入れて、お口の環境を整えましょう。
フッ素塗布や定期検診をご希望の方はぜひ1度お気軽にご相談ください。